いきなり、逆子と横向きの関係、と言っても、ピンとくる方はほとんどいらっしゃらないことでしょうが、意外と「逆子」と「横向き」には関係があるのです。

(1)逆子には「横向きの赤ちゃん」のタイプがある

赤ちゃんが妊婦さんのお腹の中で横向きになっているのです。
普通、逆子と言うと、「頭が上で足が下」になっているようなイメージが強いのですが、中には、妊婦さんのお腹の中で、横を向いている赤ちゃんもいて、これも逆子に含まれるのです。

(2)逆子の妊婦さんは、横向きで寝ると、逆子が直る可能性がある

妊婦さんのお腹の大きさくなるにしたがって、必然的に仰向けに寝られなくなってしまい、横を向いて寝るようになります。
リラックスして、横になるだけでも、逆子に効果あるのです。

といった、2つの横向きとの関係があるのです。もう少し詳しく見ていきながら、
(3)逆子に対してできること を考えてきましょう。

(1)赤ちゃんが横向き

赤ちゃんが妊婦さんのお腹の中で、横向きになっている状態のことを、「横位(おうい)」と言います。
この横位も立派な逆子の一種です。
通常逆子と言うと、赤ちゃんの頭が上にある姿勢の赤ちゃんを指しますが、中には横向き、斜めなど、さまざまな向きをした種類の逆子があります。

逆子の赤ちゃんの向きは、頭が上にある骨盤位と呼ばれるケースが多いのですが、骨盤に対し赤ちゃんの頭が横を向いている横位になることもまれにあるのです。

①赤ちゃんの姿勢や位置について

赤ちゃんの位置は、「胎位(たいい)」・「胎向(たいこう)」・「胎勢(たいせい)」などで表現されます。

胎位

赤ちゃんの頭・足の縦軸と、妊婦さんの子宮縦軸の位置関係を言います。
赤ちゃんの縦軸と、妊婦さんの子宮の縦軸が一致するものを縦位と言います。
赤ちゃんの頭が下にある「頭位」と、赤ちゃんの頭が上にある「骨盤位」が、縦位にあたります。
赤ちゃんの縦軸と、妊婦さんの子宮縦軸が直角に交わるものは「横位」と言います。

胎向

赤ちゃんと妊婦さんの左右・前後の向きのことで、「頭位」と「骨盤位」の場合は、赤ちゃんの背の向きで表現し、「横位」の場合は赤ちゃんの頭のある方向で表現します。

「頭位」と「骨盤位」の場合は

赤ちゃんの背が妊婦さんの左側を向くものを「第1胎向」
赤ちゃんの背が妊婦さんの右側を向くものを「第2胎向」
赤ちゃんの背が妊婦さんの前方に傾くものを「第1分類」
赤ちゃんの背が妊婦さんの後方に傾くものを「第2分類」と言います。

「横位」の場合は

赤ちゃんの頭が妊婦さんの左側にあるものを「第1横位」
赤ちゃんの頭が妊婦さんの右側にあるものを「第2横位」と言います。

胎勢

赤ちゃんがどのような姿勢を取っているかをいいます。
「屈位」と「反屈位」があります。
「屈位」は、赤ちゃんの背中が丸まり、下顎が胸にあたっているような姿勢です。
「反屈位」は、えび反りの姿勢となっているものです。

このように、赤ちゃんの頭の位置、背中の向きや、姿勢で、お腹の中の赤ちゃんの状態を表現します。
「横位」の場合の横と言っても、子宮に対し90°真横なのではなく、少し斜めになった「斜位」となっている「横位」の場合が多いようです。

妊娠中期位まで、赤ちゃんは妊婦さんのお腹の中で「逆子」になったり、頭を下にする「頭位」になったり、「横位」になったり、ぐるぐる動き回ることが多いのです。
赤ちゃんが「横位」になると、「ちょっとお腹が張るなあ」と感じる妊婦さんも、中にはいらっしゃるようですが、症状は特にないのが普通で、検診で「横位ですね」と言われ、はじめて赤ちゃんが「横位」になってしまったことを知る妊婦さんがほとんどです。
妊娠中期以降になると、「横位」であっても、赤ちゃんが成長し、頭が重くなってくると、自然に頭の重さで、頭を下にした「頭位」になっていくことが多いです。

どうして「横位」になるの?

赤ちゃんの「逆子」の原因は、医学的には明確には分かっていません。
しかし、「逆子」の中の「横位」は、「骨盤位(頭が上になる逆子)」より比較的明らかだと考えられています。
妊婦さん側の問題だけでなく、胎児異常など、赤ちゃん側の問題によって起こることがあります。

主な原因としては

  • 前置胎盤
  • 子宮奇形
  • 羊水過多症
  • 多胎妊娠
  • 巨大児
  • 子宮筋腫
  • 狭骨盤

などがありますが、初産の妊婦さんより、出産経験がある経産婦の妊婦さんに、「横位」が多いとも言われています。

「横位」のままだと、どうなるの?

妊婦さん全体から見て、「横位」のまま出産を迎える割合は0.30.4%程度です。
妊娠後期の34週位までに逆子体操、鍼灸治療などで直ることがあります。
それでも直らない場合、病院によっては外回転術などで、治療することもあります。
「横位」のままでも心配しすぎないで下さい。
出産は帝王切開となりますが、上記のとおり、割合はほんのわずかです。
帝王切開の割合は、2014年の統計で全妊婦さんの約5人に1人です。
自然分娩で陣痛を待つのとは違い、病院側も万全の準備を組めますし、ご自身もスケジュールに合わせて準備ができます。

「横位」は直るの?

赤ちゃんの「横位」を直すためにしてあげられることは色々とあります。
「頭位(骨盤位)」の逆子の直し方と、ほとんど同じ直し方です。
胎盤の位置や、子宮の形態に異常がない場合、直る可能性が高いです。
妊婦さんひとりひとり、原因も状況も違いますので、必ず医師に確認の上、さまざまな改善方法を試してみて下さい。
具体的な改善方法は(3)をご覧ください。

(2)妊婦さんが横向きで寝るとは?

妊婦さんは、妊娠中期頃からどんどんお腹が大きくなってくると、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったり、寝苦しさを感じる方が多くなります。
それまでは仰向けで枕をして寝ていた方も、徐々に仰向けに寝ることが苦しくなってきます。

赤ちゃんの成長に従って、妊婦さんの大きくなった子宮は、子宮の周りの内臓を圧迫していきます。
子宮が胃を圧迫すると、胸焼けのような症状が出ることがあります。また、ホルモンのバランスにも変化が起こるので、妊婦さんの心拍数は上がりやすくなります。
仰向けで寝ると、子宮が背骨の右側にある下大静脈を圧迫するため、寝苦しさだけでなく、動悸・息切れ・低血圧などが起きることもあります。
こうしたことから、お腹が大きくなってくると、自然と横向きで寝るようになってきます。
左右どちらを下にしても構いません。楽だと感じる方を下にして横向きになりましょう。

妊婦さんが最も楽な寝方は?

シムスの姿勢・シムスの体位
横向きと下向きのミックスのような姿勢で、まず横向きに寝て、下になる足を軽くのばし、上になる足は股関節と膝を90度位軽く曲げます。
この状態で、上半身を下向きにします。下になっている腕は、下に下げ背中側に回します。上になっている手は、軽く上に上げ、顔の横に自然に曲げます。
クッションや枕を上の足の膝の下に挟んだり、上の腕に抱えてみたり、お腹の下に当ててみると、より楽な姿勢になることがあります。長い抱き枕を使うのもおすすめです。
お腹が大きくなった妊婦さんは、単純な横向きの姿勢でも辛くなることがあり、シムス姿勢が妊娠中最も楽な姿勢だと考えられています。

(3)逆子の赤ちゃんにできること

赤ちゃんが逆子になってしまったら、まずできることは、横になることです。立っているとお腹がピンと伸びているので、赤ちゃんは動きにくくなります。赤ちゃんが少しでも動きやすい環境をつくることが、逆子克服への近道となります。

横向きで寝る

道具もいらず、気軽にできることが、横向きで寝ることです。
時間がある時、逆子体操の後や、就寝時に上述の横向き「シムスの姿勢(体位)」で寝ます。
医師が左右どちらを下にした方が良いか指示された場合には、その姿勢で横になり、リラックスすることで、赤ちゃんが動きやすくなります。

張り止めの薬

「逆子」の中でも特に「横位」の場合、「骨盤位」の逆子に比べ、お腹が張りやすく、張り止めの薬が処方されることがあります。
お腹が張っていると、赤ちゃんが動き回りたくても自由に動けないので、医師の指示に従い、お薬を飲みましょう。

外回転術

妊娠35週をすぎても「横位」のままである場合、赤ちゃんがしっかり成長していると確認した上で、子宮収縮抑制剤などを使用しながら、医師がお腹の上から胎児を回して、向きを矯正し、直していく「外回転術」が試みられることがあります。
「外回転術」は60~70%の成功率があると言われていますが、直っても一時的で、また元の逆子に戻ってしまうこともあります。
また、外力による矯正なので、リスクとして、胎盤剥離や、胎児の心拍数低下を起こし、緊急帝王切開となることもあります。
緊急帝王切開となっても良いように、胎児が成熟していることや、胎盤の位置、羊水の量など、実施するためには必要条件があります。
出産された方の報告の中には、おじいちゃん先生が何の前触れもなく「ちょっと押しますよ」と言いながら、お腹を押して直した、という話もありますが、今の時代にはとても稀なケースです。

鍼灸治療

鍼や灸の治療は、血流改善・子宮筋の緊張緩和などの効果があります。
日ごろ冷え症で血液の循環が悪いような妊婦さんの場合、鍼灸によって、急激な血流促進が起こることもあるので、刺激量を調整しながら施術が行われます。
切迫早産や前置胎盤などの疑いがある妊婦さんや、へその緒が巻いている場合などは、医師に相談してから、鍼灸治療を受けることをお勧めします。

逆子体操

「横位」の場合、お腹が張りやすい事もあるので、医師に相談の上、逆子体操をすることをおすすめいたします。
一般的には、胎動が感じられる時や、夜寝る前に行います。

  • 胸膝位四つん這いのように、床にひじと膝をつけ、お尻を高くする姿勢
  • 仰臥位仰向けに寝て、枕やクッションなどをお尻の下に入れ、お尻を高くする姿勢
  • 逆立ちやブリッジ仰向けになって、壁等に足から立てかけるようにしていき、お尻を高く上げる方法や、普通に逆立ちをしてみたり、三点倒立などができれば、それでもOKです。

決して無理して行うものではありません。
腰が痛かったり、呼吸が苦しいような時は、横になりましょう。
休み休みでも、10~15分行います。
逆子体操の後には、横になると、より効果的です。ゆっくりとリラックスして過ごしましょう。

赤ちゃんへの声かけ

毎日、時間があるときに、妊婦さんは自然とお腹をさすりながら、赤ちゃんに優しく声をかけていると思います。
もし赤ちゃんが逆子になってしまった時には、「頭は下だよ、足は上だよ」、「生まれる時、大変だから、頭は下にしようね」、「早くクルンと回ろうね」などと、赤ちゃんに優しく声をかけしてみてくださいね。

その他

「横位」の赤ちゃんの場合、妊婦さんのお腹が緊張して硬いままだと、なかなか治りにくくなってしまいます。
体調が良いときに、散歩やショッピングなどゆっくり歩いて、気分転換と全身の緊張をほぐすこともお勧めです。
好きな音楽を聞いたり、ビデオを見たりしながら、家でゴロンとのんびりしている時に赤ちゃんが動いて、気づいたら逆子が直っていた、という妊婦さんもいらっしゃいます。
逆子であることをあまり深刻に考えず、リラックスし、逆子を直すために、できることから取り組んでみて下さいね。

 

この記事を書いた【逆子治療専門レジーナ鍼灸院】について

逆子患者様に対して、治療院独自の《逆子改善プログラム》の施術を行っています。
この《逆子改善プログラム》は、古来から伝わる伝統的な鍼灸による逆子治療と、当院の約20年ほどの臨床経験からつくりだしたもので、逆子の改善は、91.3%の高い改善率となっています。
施術は、アラフィフ世代の経験豊富な女性鍼灸師が、マンツーマン対応で丁寧におこなっています。

逆子でお困りでしたら、一日でも早く《逆子改善プログラム》をスタートさせていくことが必要です。
一日でも遅くなると、逆子がどんどん直りにくくなってしまいます。
《逆子改善プログラム》は、6回コースで承っておりますが、逆子が直った後は、逆子の再発予防のための施術に切り替えていきます。

当院の《逆子改善プログラム》では、本格的なお灸を行います。
他の鍼灸院では、簡易式のお灸を行うところも多いようですが、簡易式のお灸では逆子は直りにくいのでお気をつけください。

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