逆子と診断されてしまったら、とても不安で、お困りになると思います。
逆子を直すポイントは、なるべく早く「逆子を直す行動をとる」という一言につきると思います。
このページでは、ご自宅でもできる逆子のお灸のやり方についてご紹介いたします。
「逆子とツボ」のページでご紹介したツボに、お灸をしていただくものですが、次のような手順で行っていきましょう。
- お灸の道具の準備
- お灸をする前に
- ツボの位置をチェック
- お灸をすえる
- 横になる
- よくある質問
お灸の道具の準備
まずは、お灸をするための道具をご紹介いたします。
必要なものは、以下のものです。
①お灸
ドラッグストアや通販で、簡易式のお灸(台座灸)が販売されています。初めてお灸を行う場合には、一番弱いタイプのお灸がおすすめです。最近では100円ショップでもお灸が販売されていますが、日本製のお灸の方がニオイや煙が少ないように思います。
②ライター
どのタイプのライターでもかまいませんが、最近のライターは、子供のいたずら防止のため、点火がとても硬くなっています。ちょっと大きいですが、着火マンタイプのライターが、点火しやすいと思います。
③水をはった灰皿や器
使い終わったお灸の火を消すために使います。
④マジック
お灸をするツボに印をつけるために使います。
⑤新聞紙やいらないタオルなど
お灸の灰や、万が一火のついたお灸が落ちても良いように、床やカーペットのコゲ防止のために、敷いておくと便利です。
逆子のお灸をする前に
いきなりお灸をしても構わないのですが、できれば、以下の環境を整えることをおすすめします。
①足を温める
足が冷たくなっていると、お灸の熱感を感じにくく、刺激に時間がかかります。お灸をする前に、予め足(下半身)温めておくことをおすすめします。
例えば、ドライヤーを使うと、効率よく温めることができます。その他、湯たんぽや使い捨てカイロ、時間がある時には、フットバス(足浴)もとても効果的です。
②温かい環境で行う
多くの場合、床に座って行うことになるので、意外と冷えやすいかもしれません。冬場は床暖房、ホットカーペットの上などで行うなど、体が冷えないようにすることが大切です。
③時間にゆとりがある状態で行う
せっかくお灸を行っても、時間に余裕がない時に行うと、しっかりとお灸の熱刺激が伝わりにく、お灸の効果が半減してしまうかもしれません。ゆとりを持ってお灸は行ってください。
④換気をしておく
お灸をすると、煙やにおいが出るので、予め換気をし、お灸が終わったら、再度換気されることをおすすめいたします。
ツボの位置をチェック
ツボの位置は、「逆子とツボ」のコンテンツをご参考になさってください。
ここでは、「三陰交(さんいんこう)」というツボにお灸をすることを想定して、話を進めていきます。
三陰交は、内くるぶしの一番高いところから、指4本上で、すねの骨の後ろ際の凹みにあるツボです。
ツボの位置については、だいたいこのような説明が表記されていると思います。
でも、初めて自分の体にあるツボの位置を確認する場合、ここが本当にツボなのか?と、不安に思われると思います。確かに、分かりにくいですよね。そのような場合には次のような方法で、ツボの位置を決めてみましょう。
- ツボと思われる周辺、直径5cm位の範囲を、人差し指の指先で、皮膚表面を軽く擦ってみましょう。
すると、少し、周囲より凹んでいるように感じる場所があるかもしれません。
ツボは、「凹み」という意味なので、皮膚表面に凹んでいるところが、ツボなのです。 - 凹みが分からなかったら、同じ直径5cm位の範囲を、今度は指先で押してみてください。
普通の押されている感じより、少しズーンとした感覚がある場所はありませんか?
ツボは、体調不良を診断することができるポイント、と言われているので、他とは違う感覚が生じやすいのです。
上記2つの方法で見つけたツボにお灸を行いますが、初めてお灸を行う場合には、ツボの場所が分からなくならないように、マジックで印をつけておくと、とても便利です。
逆子のお灸をする
では、いよいよお灸を行います。次の手順で行いましょう。
①お灸をする準備-1
お灸を行う場所に、念の為に、新聞や、いらなくなったタオルなどを敷いて、その上でお灸を行いましょう。
②お灸をする準備-2
お灸の火を消すために、水のはった灰皿などを用意しておきましょう。
③お灸に点火する
簡易式のお灸として販売されているお灸は、お灸の底がシールになっています。
お灸が転倒して火傷や、床のこげ防止のために、このような作りになっています。
まずはじめに、仮止めで左手の指先にお灸を貼ります。火の管理がしやすい指先に貼った状態で、ライターで点火します。
炎が消え、煙が立ち上っている状態が確認できたら、火に気を付けながら、台座の部分を右手の親指、人差し指で摘み、印をつけたツボへ貼り直しをします。
④お灸をはずす
見た目で、お灸の筒状の部分が8~9割がた燃えたころから、少しずつ温かい感じがあります。
そして、熱い、というよりは、ゴムでパチンとたたかれているような、チクンとするような感覚が、お灸の熱刺激です。その刺激の感覚が許容範囲内であれば、そのままお灸を続けますが、許容範囲を越えたら、台座部分を指で摘み、用意した灰皿ななどに入れ、火を消します(お灸を下向きにして破棄すると、しっかり火が消えます)。
もし、お灸の熱が全く感じなかったり、弱い感じがする場合には、同じ場所に、連続してお灸をすえていきます。
足が冷えているような場合、熱感が感じられにくい方は多く、1壮(そう:お灸は壮という単位を使います。お灸1つは、1壮です。)だけでは足らず、2壮、3壮と、連続施灸していきます。
【注意】初めてお灸を行う時は、少し物足りない位でも良いかもしれません。やり過ぎてしまう と、簡易式のお灸でも火傷をすることがあるので、少しずつ、調整してみてください。
⑤反対側のお灸にもお灸をすえる
反対側の三陰交にも同様にお灸をします。
同じツボであっても、体の左右では熱の感じ方は違うものです。
それぞれのツボごとの感覚で、お灸の壮数を変えて、調整していきましょう。
お灸がしっかりできると、お腹の赤ちゃんの胎動が活発になってきます。
⑥最後に
使い終わったお灸が、灰皿の中で消火できていることを確認してください。
逆子のお灸の後は横になる
しっかりお灸ができたら、10分ほど横になります。
赤ちゃんの動きを促進させるためです。
お灸の後、起き上がってしまうと、お腹が伸び、力がはいってしまい、赤ちゃんが動きにくくなってしまいます。
また、赤ちゃん自体にも重力が働き、動きにくくなってしまいます。
せっかく動き始めた赤ちゃんの動きを促進させるため、妊婦さんは楽な姿勢で、リラックスして横になっていただくことが効果的です。そのままウトウトしてしまっても構いません。
横になる姿勢は、医師がどちら側を上にするか、指示がある場合には、そちらの向きで横になります。
赤ちゃんの背中が下になるように、指示する医師もいれば、反対に、赤ちゃんの背中が上になるように、支持する医師もいます。
どちらが良いのか… 迷うところですが、一応医師の指示に従って寝てみましょう。
もし赤ちゃんの胎動があまり感じられなかったり、赤ちゃんが横を向いているような横位の逆子ちゃんの場合には、時には反対側を向いて寝てみてはいかがかと思います。
反対側を向いて寝てみたところ、逆子が直ったという先輩妊婦さんもいます。
赤ちゃんの逆子の向きや、子宮環境の問題など、何事にも個人差がありますし、なんとなくこっちの向きの方が落ち着くな…という向きがあれば、個人的には、そちらでも構わないと思っています。
【参考】シムス肢位・シムス姿勢
出産が近づいてくると、普通の横向きの姿勢も辛くなってくることがあります。そのような場合には、シムス肢位で寝てみてはいかがでしょうか。
うつ伏せと、横向きに寝る姿勢をミックスした姿勢で、上半身がうつ伏せ、下半身が横向きに寝る姿勢です。
まず、横向きに寝ます。
足は、下の足は伸ばし、上の足は股関節、膝を軽く曲げます。
手は、下側の腕を下に伸ばし背中側に、上側の腕は、顔の横辺りに軽く肘を曲げます。
必要に応じて、クッションや枕を使い、膝の下、腕の下などに入れると、より楽になると思います。
逆子のお灸について、よくある質問
お灸に関して、よくある質問をまとめてみました。
Q1. お灸をした後の過ごし方は?
逆子のお灸をした後は、赤ちゃんが活発に動けるように、必ず横になってリラックスする時間をお作りください。(約10分くらいは横になっていた方が良いです。)
もし可能であれば、お灸の後に逆子体操を行っていただくと、より効果的です。
ただし、担当の医師に逆子体操を禁じられている場合には、行わないでください。
Q2. 逆子のお灸はいつやったら効果的?
お灸を行う時間帯に決まりはありませんが、お灸をやり終えた後、ゆっくりと横になっていただきたいので、時間に余裕がある時間帯に行ってください。
時間に余裕がない時に行うと、気持ちがせいてしまい、それが赤ちゃんにも伝わってしまい、動いてくれません。
Q3. 逆子のお灸は何回行うの?
1日最低1回、週数が30週を過ぎている場合には、できれば、1日に3回行っていただくことをおすすめしています。
Q4. 逆子のお灸は危険ではないですか?
胎児を直接的な強い力で矯正するわけではありません。
お灸という熱刺激を、お腹から遠い足から加えることで、胎児が動きを活発化させ、逆子の姿勢から正しい姿勢へと自発的に動いて直っていくことを促していきます。
赤ちゃんの自発的な動きを促進するものなので、危険なことはありません。
赤ちゃんが動いて、臍帯が首に巻き付かないか、というご心配をされる方がいらっしゃいますが、原理としては普通の胎動と同じなので、赤ちゃんが自ら首を絞めてしまうような動きをすすんで行うということは考えにくく、また当院で行っている鍼灸治療で、臍帯を巻いてしまったという事象は起きておりません。
Q5. 逆子のお灸の後に、お風呂に入ったり、ウォーキングしてもいいの?
お灸は特殊な熱刺激で体の調子を整えていく療法です。
入浴やウォーキングのように、全身の血流が急激に促進されるようなことをお灸の直後すぐに行ってしまうと、せっかくのお灸の刺激が相殺されてしまう可能性があります。
お灸をする前後1時間あけて、入浴やウォーキングをしていただければ、問題ありません。
また、お灸の直前に入浴すると、皮膚がふやけているので火傷する可能性が高いと言われています。
Q6. お灸は火傷するの? 火傷したらどうしたらいいの?
市販されている簡易式のお灸は、台座灸といって、皮膚に火が直接つかないように工夫されている構造をしています。
しかし、簡易式と言えども、熱刺激の強弱がさまざまな商品があること、また皮膚の性状には個人差があることなどをふまえると、残念ながら100%火傷は予防することはできません。
お灸を初めて購入し、試そうと思っておられる場合には、一番弱いタイプのお灸を購入していただき、実際にお灸をしてみて、ご自身が感じる熱刺激がどの程度か、お試しください。
もし、熱刺激が足らない場合には、同じツボに2つ、3つと、続けてお灸をして熱刺激の量を調整してください。
万が一、火傷をしてヒリヒリした場合には、すぐに流水や保冷剤などを使って冷やしてください。
水泡(水ぶくれ)ができてしまった時は、水泡がつぶれないように絆創膏などで保護してください。
もし水泡がつぶれてしまったら、化膿しないように入浴後など、適宜消毒を行ってください。
ご心配な時には、皮膚科の受診をおすすめいたします。
初めてお灸をする時や、お灸に慣れていても初めて使う製品を使う場合には、少し物足りないくらいの熱刺激からはじめ、皮膚の状態を観察しながらすすめてください。
一般的に、日焼けしやすい部位の皮膚は強く、逆に日焼けしにくい部位の皮膚は弱いことが多いので、日焼けしにくい部位のお腹や、手や足の内側、例えば三陰交へのお灸をする場合には、火傷しないようにご注意ください。
熱いと感じたら、燃え切る前の途中でお灸をとりはずしてください。
Q7. お灸の強さは、どのくらいがいいの?
正しく言えば、皮膚表面上が単に熱い、と感じるものは、刺激が強すぎて、お灸本来の効果は期待できません。
深部に伝わるようなツーンとした熱刺激があって、初めてお灸本来の効果が期待できると考えられます。
しかし、初めてお灸をする方にとって、どのような感覚なのか、なかなか分かりにくいものだと思います。
初めてお灸をする時は、弱いタイプのお灸から始め、少し温かくなったかな?くらいで良いのではないかと思います。
次に行う時は、もう少し温かく、もしくは少し熱いかな?くらい、というように、少しずつ熱感をプラスしていってください。
熱感が全く感じられない時は、体が冷え切っているのかもしれません。
お灸をする前に、ドライヤーなどで温めてからお灸をしてみてみると、熱感が感じやすくなるかもしれません。
Q8. 正しくお灸ができているか、心配なんですが・・・
初めてお灸を行う時は、どうしても、見よう見まねになってしまい、お灸が正しくできているのか、ご心配に思われると思います。
1回(1個)のお灸で症状が改善することはないので、火傷をしていないか様子をみながら、同じツボに何回か繰り返し行うとか、関連する他のツボにもお灸をするなどして、ご自身にあったお灸をなさってみてください。
Q9. お灸は何カ所やるの?
初めてお灸を行う時は、ツボ1カ所からはじめてください。
慣れてきたら、数ヵ所に行ってください。
また、慣れてきたら2~3カ所、同時にお灸を行っても構いませんが、複数のお灸に同時に点火すると、熱くなるタイミングも同じなので、熱くて外したい時、あせって、お灸が転がって火傷した、というケースもあります。
お灸の点火は、1つずつ行って、少しずつ時間差をおいてお灸をしてください。
一般的に、1つの症状に対して、ツボは1カ所だけでなく、2カ所くらい使ってお灸をする方がより効果的だと言えます。
逆子に対するお灸であれば、「三陰交」と「至陰」という2つのツボの組合せが有名です。
(他にも逆子に効果的なツボはたくさんあるので、組合わせてお灸をしてみてください。)
Q10. そもそもお灸って何?
お灸に興味を持って下さると、次に出てくる疑問は、「そもそもお灸って何?」ということではないかと思います。
お灸で燃やす部分は、モグサ(艾)と言い、ヨモギ(蓬)の葉の裏に生えている毛を集めたものなのです。
ヨモギは、春~夏に野原や道端に自生しているのを目にすることができるので、是非探して、葉の裏を見てみてください。
薄黄色の毛がギッシリ生えています。
日本製のお灸は、主に日本海側の良質なモグサが原料として作られていて、輸入品と比べるとニオイや煙がマイルドなのが特徴です。
簡易式の台座灸は、台座の部分は厚紙で、中心部に穴があいており、モグサが燃えた時の熱が穴を通して皮膚表面から体の中に伝わっていく構造となっています。
強弱さまざまな製品が販売されているので、まずは、弱いタイプの製品から使いはじめてください。
最近では、アロマタイプの良い香りがする製品や、煙やニオイがしない製品も販売されています。
ご自身にあった製品を見つけて、お灸を楽しみながら、逆子治療に利用してください。
Q11. 逆子を直す方法は、他にどんなものがあるの?
逆子を直す方法はいくつかあります。
主なものは以下の3つです。
逆子体操
逆子を直す方法として、最も知名度がある方法だと思います。
体操といっても、体を動かす運動ではなく、頭を下げお尻を上げる姿勢を数分とり続けることをいいます。
詳しくは、「逆子体操による逆子の直し方」のページ をご参照ください。
外回転術
昔はお産婆(助産師)さんが行っていましたが、現在では、緊急手術(帝王切開)が行える施設をもった病院で産科医師が実施しています。
心電図、血圧などを常時測定し、エコーを用いて胎児の位置を確認しながら、妊婦のお腹を経皮的に押すなどして胎児の位置を矯正していきます。
治らない場合もありますし、一旦治ってもまた逆子にもどってしまう場合などもあり、逆子が治る確率は50%程度と言われています。
お灸(鍼灸治療)
今回は、自宅でできるセルフケアの逆子のお灸の方法を解説しましたが、本来は、専門の鍼灸治療院で鍼灸治療を受けた方が、直る確率を高めます。
鍼灸治療院では、赤ちゃんの状態に合わせて、逆子改善にふさわしいツボを選び(選穴:せんけつ)、正しい位置にツボをとり(取穴:しゅけつ)、お灸をすえ(施灸:せきゅう)、鍼を刺し(刺鍼:シシン)ていきます。
ツボについては、「逆子治療に効果的なツボ」のページ をご参照ください。
鍼灸施術については、「料金・施術内容」のページ をご参照ください。
逆子を直すには、時期がとても大切です。
時期を逃してしまうと、逆子が直らなくなってしまいます。
躊躇せず、計画的にすすめていってください。
この記事を書いた【逆子治療専門レジーナ鍼灸院】について
逆子患者様に対して、治療院独自の《逆子改善プログラム》の施術を行っています。
この《逆子改善プログラム》は、古来から伝わる伝統的な鍼灸による逆子治療と、当院の約20年ほどの臨床経験からつくりだしたもので、逆子の改善は、91.3%の高い改善率となっています。
施術は、アラフィフ世代の経験豊富な女性鍼灸師が、マンツーマン対応で丁寧におこなっています。
逆子でお困りでしたら、一日でも早く《逆子改善プログラム》をスタートさせていくことが必要です。
一日でも遅くなると、逆子がどんどん直りにくくなってしまいます。
《逆子改善プログラム》は、6回コースで承っておりますが、逆子が直った後は、逆子の再発予防のための施術に切り替えていきます。
当院の《逆子改善プログラム》では、本格的なお灸を行います。
他の鍼灸院では、簡易式のお灸を行うところも多いようですが、簡易式のお灸では逆子は直りにくいのでお気をつけください。
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