逆子(骨盤位)を直す(治す)方法

一般的に妊娠30週前後でおなかの赤ちゃんが逆子の場合、逆子を直す体操や寝る時の姿勢など、なんらかのアドバイスをされることが多くなります。

妊娠中期まではそれほど気にしなくてもよいとされていますが、後期なって出産が近づくとやはり心配ですよね。
では、逆子を直す方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

逆子が直るとされている方法①…お灸と鍼

東洋医学を用いた方法として、鍼やお灸による逆子治療には効果があるとされています。全日本鍼灸学会によると、鍼灸による逆子の矯正率は89.9%とされています。

逆子の原因のひとつに「冷え」があると言われていますが、お灸や鍼によってツボを刺激し血流や気の流れを改善することで解消されます。
また、冷えを解消することでおなかの中を暖かくすることできるので、赤ちゃんの回転が促されて逆子が治るといわれています。

逆子を直すためのツボのとして最も有名なのは「至陰(しいん)」です。
また、「三陰交(さんいんこう)」などもよく用いられています。

至陰:足小指の外側で、爪のつけ根の際にあります。

冷え性に効果のあるツボです。特に下半身の冷えに対して効果がありますが、全身の血行を良くする作用もあるといわれています。
血液が滞りやすい末端を刺激することで、全身の血流が良くなります。この血流への効果が間接的に逆子矯正にも生かされていると考えられています。
また至陰のツボは逆子だけではなく、難産、胎盤滞留、頭痛、目の痛みなどにも効果があるとされています。

上記のツボは二つとも足(膝下)にあります。
逆子を直すための鍼灸治療として多く用いられているこの下肢への刺激は、副交感神経を介した反射によって、子宮血流の改善や子宮筋の緊張がゆるみ、 胎動が増加することで回転を起こしやすくしていると考えられています。
同時に皮膚血管が広がって、皮膚温が上がると考えられています。
このようなことから、下肢の血流と逆子との関連性が考えられているのです。

プロゴルファーの東尾理子さんは鍼灸治療を受けたことで、心身ともにリラックスし、生理周期が整う傾向に向かったとブログで語られています。
また、英ヘンリー王子の第1子を妊娠の際、メーガン妃は子宮への血流量を増やすために鍼治療を受けていると報じられています。
関係者の話によると「緊張をほぐしてリラックスするために定期的に鍼治療を受けている」とのことです。

逆子が直るとされている方法②…外回転術

外回転術とは、胎児の位置が骨盤位や横位(横たわった位置)にあるとき、頭が下になる頭位となるように腹壁上から赤ちゃんを回転させる胎位矯正術を言います。
赤ちゃんが母体頭側に上がるよう、妊婦さんには下半身を持ち上げ、頭部を下げるような姿勢になり、子宮の筋肉の緊張を緩めてゆきます。
赤ちゃんが回転しやすくなるように、お腹の張り止め薬を投与したりします。
(痛みや腹壁の緊張をとるために麻酔をかけることもあります)。
施術時間は短い場合は2~3分、長くとも10分程度で終わります。
(赤ちゃんの位置によっては数十分かかる場合もあります)

とても簡単そうに思えるかもしれませんが、実施できる医師は経験と技術のある人に限られていることに加え合併症のリスクも存在します。

外回転術では力を入れて直接子宮を圧迫するので、母体と胎児の両方に負担がかかり常位胎盤早期剥離を起こしたり、胎児の心拍数が悪くなったりすることもあります。
外回転術を実施した妊婦さんのうち約12%は緊急帝王切開になっています。
妊婦さん側にも帝王切開の経験がない、胎盤が正常な位置にある、羊水が正常の範囲内であるなどの条件があり、それらをクリアした上で胎児の心拍を確認しながら慎重に行われるものです。

成功率は初産婦・経産婦や麻酔の有無で成功率が変わります。
海外の文献によると、初産婦さんでは麻酔無しで32.4%, 麻酔ありで66.7%の成功率となっており、経産婦さんでは麻酔無しで57.5%, 麻酔ありで87.1%の成功率となっています。

逆子が直るとされている方法③…逆子体操

逆子体操には下記のようなものがあります。

  • 仰向けの姿勢:仰臥位(ぎょうがい)・ブリッジ法、逆立ちのポーズ
    あおむけでおしりの下に枕などを置いて30cmくらい腰を持ち上げます。
    その姿勢を約10分キープします。最初は時間を短めに、慣れてきたら少しずつ長くして10分に近づけていきます。
  • うつ伏せの姿勢:胸膝法(きょうしつい)
    胸と両膝を床について、お尻を高く上げる体勢になります。
    四つん這いになってから手の力を抜いたような姿勢のイメージでそのままの姿勢をキープします。(1015分)
    タオルなどを置いてその上に顔を置くと楽です。横向きの姿勢:シムスの体位
  • シムスの体位は半腹臥位とも呼ばれる寝方で、うつ伏せがベースになります。上半身の左側を下にして、うつ伏せ気味に横になります。
    下になった腕を背中側に、上側の腕を軽く曲げて胸側に置くと良いでしょう。

妊娠8ヶ月頃までは赤ちゃんがまだ小さく動きやすい時期なので逆子になっていることも多く50%~70%もの確率で逆子になっていることがあります。
その為この時期はまだ逆子になっていてもあまり心配する必要はないと思われます。

逆子体操は一般的に妊娠30週以降に行うと効果的と言われています。

妊娠32週を過ぎると、羊水が減ってきて逆に赤ちゃんが子宮内を動く余裕がなくなり、骨盤に固定されてくるため逆子体操で逆子をなおすのは難しいと言われています。

また、逆子体操を行う時間帯は寝る前が効果的です。
体を温めた状態で行うと赤ちゃんが動きやすくなると言われているため、入浴後に体があたたまった状態で、お布団の上などで行うとよいかもしれません。
ただし、逆子体操を頑張ってもすべての妊婦さんの逆子がなおるとは限りませんが、直った妊婦さんも多いので、挑戦する価値は充分にあると思います。
逆子体操はおなかが大きくなっている妊婦さんにとってきついと感じる姿勢が多いため、赤ちゃんや母体に影響がないか心配になるかもしれません。
基本的に問題ないとされていますが、おなかが張ったらすぐやめましょう。
また、逆子体操を行ってはいけない方もいます。
逆子体操を無理しすぎると早産のリスクが高まることもあるので気をつけましょう。
体操を行う前は医師に相談して、先生の指示に従って行うと安心です。逆子体操を正しく行えているか、おなかの赤ちゃんに異常が出ていないかなど心配なことがある場合は、定期健診のたびに先生に相談しながら行うことをおすすめします。

逆子を直す方法では逆子体操が有効という医師の意見が多ようですが、医学的な根拠はないとする考えもあるようです。
また、外回転術も、医学的根拠があるとして支持されている一方で胎盤剥離などを引き起こすリスクが指摘されています。
鍼灸治療についてはやけどや内出血などを100%防ぐことはできないものです。

様々なリスクはあるものの、積極的に試して逆子を直したという妊婦さんも数多くいるというのも事実です。逆子を直す方法はどの方法も一長一短で、これで必ず治る!というものは無いようです。
いろいろな方法を試す場合は過度な期待をせずに、この方法で直ったらいいな、くらいの考え方で進めるのが良いかもしれません。
不安になりすぎると逆効果ですし、一番大切なことは、赤ちゃんが元気に生まれてきてくれることなのです。